入学から1ヶ月。
私は実紅の友達とも仲良くなり、私を含めた五人で毎日を過ごしていた。
「ちょっとトイレ行ってくるわー」
楽しく盛り上がる輪から外れ、トイレにいってまた輪に戻ると輪の中から聞こえる
"ゴブリン"という単語が引っかかった。

「ねえねえ、そのゴブリンって何?」
四人は笑顔でこっちを見た。
木戸が
「ゲームのキャラだよ!こうやってさ、殴ったり足蹴にしてさ倒すんだよ~」
空中に向かってジタバタする木戸に、みんなが楽しそうな笑い、私はただ相槌を打って笑顔を貼り付けた。

何か違和感があった。
いつもどおりといえばいつも通りだった。木戸は二次元が大好きな私と同じ身長高めな女子。
いつもこうやってゲームのキャラについて話したり、アニメについて話していた。

何か、私を見る周りの目が楽しさ以外のモノをは含んでいた。
それに気づくのはもっと先。