夏休みに近づいた頃
仲良くしていた男友達が
来学期から
別の学校に転校することを
聞かされた。
クラスでお別れ会を
しようってことになったけど
あたしは水沢くんが行かないなら
行かないことにしようと
考えていた。
水沢くんがすべて
あたしの基準になっていた。
お別れ会の帰り道
帰る方向が一緒の子達と群れて
駅まで歩いていく。
みんな気を使ってくれたのか
あたしと水沢くんは
自然と二人で話が盛り上がった。
水沢くんの家族の話とか
男バレの顧問の話とか
洋楽や洋画の話、
他愛ない話を
延々として盛り上がった。
それだけで
なんだかうれしかった。
水沢くんの近くに
自分がいる気がしたから。
うれしかったんだ。