あたしは彼女の名前を聞いても
どんな仔なのかきっと
わからなかったと思う。


詳しく聞いたって
傷つくだけだった。


だからあたしは聞かなかった。



だって彼女の話をする君を
見たくなかったから。


だけどそんな風に
あたしが苦しくなるような
現実ではなかった。


彼は彼女のことを
重荷に感じていた。


逆に『彼女』という存在が
彼を苦しくさせていた。




咄嗟に出た、あたしのひとことは、





    -…別れた方がいいよ?