私鉄線のホーム、
改札口であたしたちは別れた。


あたしの乗る電車は
ホーム後方
彼が乗る電車は前方。


先に出るのは
あたしが乗る電車だった。



座席に座ったあたしは
まだ登録されたばかりの
彼のメモリを呼び出して
メールを作成する。


動き出した電車の中から
メールを作成する手を止めて


無意識にホームの彼を
探していた。




……あんな人込みの中でも
自分の好きなひとは



     さがせるんだ、