ヒュー__
ヒュー__
穏やかな風が長い黒い髪を揺らす
夏休みも終わり
今日から2学期が始まろうとしている
9月だろうと変わらず太陽は肌を刺激し
爽やかで気持ちの良い風が吹き抜けていた
『( 風が気持ちぃぃ… ) 』
目を閉じ風が
身体全体を包み込むのを感じる
そして再び目を
開けるある一点を見つめて…
『( 残るは3年……だけか… )』
向こう側には同じく屋上が見える
だが、ところどころに網は破れ破壊されていて
壁にはスプレーなどで
落書きされたものばかり目に入る
『( ほんととんでもない場所……
表と裏の世界とはこのことか… )はぁ…』
するとその向こう側の屋上に
さっきは見られなかった人影が見えたのだ
『( ?!…誰だ )』
イスズは網の方に近寄り
覗いているのを見られるようしゃがみ込んだ