「や、やだ!た、達也がいる!」


花音が達也の姿を見つけて、焦って鏡を見ている。


「遅い。啓大が言い出したんでしょ。」


私も一応髪を整えて、啓大に文句を言う。


「悪い悪い。で、調子はどうだ?」


啓大に聞かれてうつ向く。


「全然ダメ。


里美の足が遅いのは生まれつきだよ。」


私の代わりに実里が答えた。


でも、もっとフォローしてくれても良いじゃん!


「じゃあ特訓だな。」


「うぇ!?」


啓大のこの笑顔は…。


「はい、これ」


実里が啓大に差し出したもの…


それは…