花音の声に答える余裕はない。


がくがく震える足が憎い。


心臓も緊張のせいでうるさく跳ねている。


無視されるかもしれない。


でも…


啓大の席に行くまでに、いろいろなことを考えた。


怖いけど、ここがスタートだと思って私はもう一度大きく息を吸った。