『パンッ!』
私の頬はお父さんに叩かれ真っ赤に腫れた。

いくら50代でも男性であるお父さんに叩かれるのは痛い。

何も言わず、お父さんはエンジンをかけた。

しばらく車を走らせているうちに最初に口を開いたのはお母さんだった。

「美晴?何があったか教えて?」

私はゆっくりと言葉を放つ。

「星也さんの・・・・お母さんは・・・・私の本当のお母さん・・・なの」

「え?」
お母さんは目を見開いた。
お父さんもビックリしているのが、わかった。

今まで誰にも言えなかった気持ちが溢れ出す。

「星也さんと付き合う事はあの人と向き合わなきゃいけないの・・・・私は・・・・その自信が無いの・・・・何で初めて好きになった人が・・・・なんでよ!?」

こんなの私のワガママかもしれない
私が大人なら受け入れられたかもしれないのに?!
『ぎゅっ』
手に温もりが伝わった。
お母さんが私の手を握ったらしい
『辛かったね?』
「へ?」
見上げたお母さんの顔はとても綺麗だった。