その言葉を聞いたとき、声を枯らして叫んだ。

「違うっていってんでしょ‼」

私の怒号に二人ともポカンとしている。
涙が頬を伝わった。

「み・・はる?」

私って・・・・最低だ

「ちょっと?!美晴?!」
私は家を初めて飛び出した。


外が真っ暗な事なんて気にしなかった。
ただここから抜け出したいそんな思いで走り続ける。

走り続け
いつの間にか私は繁華街にたどり着く。
ネオンが涙でキラキラと反射した。

おじさん達が千鳥足でふらふらと進む光景がところどころで見られた。

しばらく歩くと路地裏に入った様で
店の数は少なくどちらかというといかがわしい店が多くなってきた。

(速く逃げなきゃ・・・)
女性としての本能がそう告げる。
しかし、もう遅かった。

『お嬢ちゃん、ここの店の娘?』
腕をガッとつかまれた。
掴んでいたのはおじさん。