「美晴ちゃんのお母さん、面白いね」
クスクスと星也さんが笑う。

「俺は襲う人間じゃないってお母さん信じきってるもん」
「あ・・・・」
この顔は怒ってる。

そりゃキスをしようとして、はたかれたら怒るわな・・・・
今更後悔してもしょうがないし・・・・
よしっ!
私は、大きくまた息を吸った。

「星也さん‼」
「んー?って・・・・わぁ?!」
振り向いた、星也さんを床に押し倒す。

「・・・・・何?美晴ちゃん」
またクスクスと笑われる。
どうしよう?!この先がわからない‼

実は、沙羅があの電話の後メールをくれた。
アドバイスらしく長々しい文章の後、最後に『最終手段は押し倒せ‼www』と書いてあったため試したのだがこの先を考えた事が無かった。

「えーとえーと?」
星也さんを押し倒したまま固まる私。
「え、何かな?」
にやけが止まらない星也さん。
「美晴ちゃん」
「?」
「押し倒した方が優勢ってわけじゃないんだよ?」
「へ?」
その瞬間ギュッと抱き締められ勢いをつけて体がくるッと回転し、私と星也さんの体勢が逆転した。
「ほら、逆転、あれ?はたかないの?」

顔を近づけられる
「もうはたきません!」
確かに恥ずかしいけど、カップルだもん‼
キス位なんともない‼
自分に暗示をかける。