「ううう・・・」突然の吐き気に襲われる。
私の様子がおかしいと気づいたのかみんなは「美晴?」と、私に声をかける。

みんなは、私がコインロッカーベイビーという事は知らない。それがいじめにつながりかねないことだってあるからだ。

おかげで今までいじめにはあわなかった。

でも、これでバレたら?沙羅は私をどうする?
親友の顔を見ると私を本気で心配してくれるいつもの沙羅だ。
「しっかし、最低だよな‼コインロッカーに捨てるだなんて!」
クラスの男子の一人が、雑誌を持ってヒラヒラさせる。
「でもさぁ、コインロッカーに捨てるって事は相当子供が邪魔くさいんだろうな!」
それからのことは自分でも後悔している。
「黙れぇ!」
喉からあり得ないくらい大きな声が出た。
息を荒げる私にみんなポカーンとしている。
「あ、・・・・・」
私が状況を理解したのは数分後の事だった。
『ごめん』
「美晴‼」
私は、勢いよくその場から逃げ出した。

なんだ、結局過去の事になってないじゃん

逃げながら私は、そう考えてしまった。