カタカタ・・・・
キーボードを打つ音が部屋に響く。
あぁ❗なんて楽しいんだろう❗
あの人の話はいつだって面白い❗
「ご飯よ〰」
階段の下から声が聞こえ、下に降りるとカレーの匂いがふわりと香り、思わずほっとしてしまう。台所では、
お母さんはスプーンを並べ、お父さんは、新聞を読みながらコーヒーをすすっていた。
「また、チャットか?」
お父さんは不機嫌そうに尋ねる。
「学業を疎かにしちゃいかんぞ?」
「お父さん、この前の全国模試50位だった❗」
にこやかな笑顔のわたしにお父さんはため息をついた。
「で、今どんな人とチャットしているんだ?」
「ん?ホスト❗」
「ブッ⁉」
コーヒーを吹き出したお父さんは汚いとお母さんに怒られ、床を雑巾で一生懸命拭いている。
「おまっ⁉ホストって⁉」
「冗談よ❗」
ケタケタ笑うと、分かりやすく脱力するお父さんを見て、お母さんもケタケタと笑った。
「で、本当はどんな人?」
カレーをテーブルに三皿並べ、お母さんが興味津々な様子で顔をわたしに近付けた。
「そうだね〰、話がおもしろくて、なのに聞き上手❗男の人だけどこの人とチャットしている時が一番楽しいの❗」
「ふうん、美晴はその人に恋をしたのね」
「ブッ⁉」お母さんの言葉にまたお父さんがコーヒーを吹き出した。
「うーん、私、恋したことないからわかんないな・・・・」