私には"お姉ちゃん"がいた。
ただ、血の繋がりはない。
たまに家に来たり、たまに家に行ったり、誕生日にプレゼントをくれたりとその程度の関係だった。
多分だけれどとても良くしてもらっていたのだと思う。
会えるのは年に1回か、2年で1回。
お姉ちゃんは若くて綺麗で、それでいてしっかりしていて、私達のこともよく理解してくれていた。
母は周りの子の親と比べると年をとっていたから、感覚が合わないことが多々あったけれど、お姉ちゃんにはそれがなかった。
とても田舎暮らしだった私にとっては、遊んでくれるお姉ちゃんが家に来るのはとても嬉しかったし、毎年プレゼントをもらえるのもとても幸せに思っていた。
母からはお金がないから、とプレゼントをもらえるのは誕生日であっても、クリスマスであっても数えるほどしかなかったから、余計にそう感じていたんだと思う。
母は絶対に許さないゲーム機やカセットが家に届くあのドキドキとした感覚。
その日が本当に楽しみで仕方がなかった。

単純かもしれないけれど、だから私は"お姉ちゃん"がとてもとても大好きだった。