同じタイミングで…
授業で視聴覚室に移動のJクラス。
柊也と豊田は…
列びにある被服室から出てきた深紅を、遠目に捉える。
「深紅ちゃーん!」
豊田の呼び掛けに…
振り向いた深紅は、笑顔で手を振る。
そして視線を隣に移動すると…
柊也を映して、一瞬表情がかげる。
でもすぐに、同じように笑顔で手を振って…
戸惑う柊也の返しを待たずに、背を向けた。
遠ざかって行く深紅を…
切なげに見つめる柊也。
「んな顔して…
声掛けないのかー?」
「……別に」
振り返った先には…
視聴覚室に入ってくキミ。
ちゃんと笑えたかな…
2人に、よけーな心配かけたくない。
だけどキミを見ただけで…
胸が潰れそーだよっ…!
そっから想いが押し出されて…
封印したハズなのに!
大好きが…
ポロポロ、ポロポロ…
涙と一緒に溢れてく。
キミに繋がるトビラは…
もう消えたのに。