切り捨てられたと思っていた、ちっぽけな自分を打ち消す事実に…

顔を上げた柊也は、
驚きと動揺に瞳を揺らす。


それに優しい頷きを返して、話が続く。



「それで別居に発展したらしいんだけど…

あんた達が仲良くしてるのを知ったあの女が、亮に"柊也をどうにかしろ!"って文句言いに戻って来たらしいの。

深紅ちゃんだけ実家に置き去りにして…」



ちっぽけじゃない自分の存在が…

深紅の居場所を脅かす。


複雑な心境に、柊也は顔を歪ませた。



「だから…

深紅ちゃんの為にも、これ以上関わるのをストップしてくれって。


そんな勝手な言い分、断り続けてたけど…

家を聞き出すために、
"励ますのが(関わる)最後"って条件を表向きOKしたの。


でも深紅ちゃんと再会して…

亮達の勝手な言い分は、最もな言い分だって、認識したわ。



あの子がどんな決断をするかは解らないけど…

真実を告げる必要があると思った」



どうやっても、深紅を苦しめる現実に…

なんの反論も出来ず、悲しい表情を浮かべる柊也。