覚えてるコトは…



窒息死なのに、その顔はすごく穏やかで…




みんなでジィちゃんの体をキレイにする時、触れたその手は…

まだ暑い9月なのに、びっくりするくらい冷たくて…


瞬間。



ズワァァーと、

実感出来てなかった心に、死の衝撃が襲いかかった。




苦しくなって、

そっから逃げたくなって、

ブワッと涙だけ止まんなくて、



ジィちゃん起きてよ!!



って思いで、何度も、

ただ何度も、何度も、



その体を拭き続けた。










火葬炉を前にして…



それでもまだ、頭ん中に…

違う、違う、がこだました。




息が出来ないくらいの焦燥感に支配されながら…


放心のまま、最後を見送った。