田中は絶対、永井先生のこと狙ってる……気がする

あの人は鈍感で誰にでも優しい先生だ

「……心配だ……」


***

「なるほど…それで涼也は告白できなかったわけね」


「田中の邪魔がなければ…」

「ふっ」

「?!」

突然直哉が俺の方を見て笑った

季節に合わせて短めに切った透き通った色の髪がよく似合っている

「ホントに好きなんだなーと思って」

「まぁ…」

「うらやましいなぁああ」

「ずっと思ってたんだけど…俺、男が好きなの気持ち悪いって直哉は思わないの?」

うーん?と眉間に皺を寄せて直哉は黙ってしまった


「俺は…俺は別に性別とかそんなの関係ないと思うなぁ」

よくわからんのだけどね、そういって
直哉は頭をかいて笑った