「あのさ、先生…」

「ん?なんだ?」

先生は俺の目を見て首を少し傾げた

そんな些細な仕草にさえどきどきしてしまう俺は

きっと、いや…もう先生が好きで仕方がないんだ

「俺さ、先生のこと…」

今しかない、そう思って口を開いたその瞬間だった

「永井先生ーー!!!!どこ行ってるんですかー!!」

俺のいいかけた言葉がむなしくこぼれ落ちる

「へっ、田中先生!?」

「へっ、じゃないですよ!僕と飲む約束してたじゃないですかあ!」

バスケ部副顧問、田中

先生より少し年上でいっつも先生を独占しやがる

「くそ……」

うぜぇ…

「ん?黒田じゃないか!今日はナイスシュートだったな!よく頑張った!」

「ありがとうございまー」

上から目線でむかつく…

「おいおい先生に失礼だろー」

呆れたように先生が言う

「もう夜も遅いし自分の部屋に帰りなさい。…さ!永井先生!のみましょ!!」