「咲葉ぜんぱーい!!」
「朱鳥っ!」
朱鳥はいつかと同じように後ろから私を呼んだ。
「ぜんばい....!うぅ。ざみじい...でず...」
ずずっと鼻をすすりながら言う。
「私も...さみしい..!」
そう言ってギュッと抱きつく。
「でも朱鳥。美術部のことよろしくね。もう、朱鳥に教える人はいないんだから。」
朱鳥は美術部、新部長になった。
「は....い!ひくっ...!」
「元気でねっ!」
「咲葉先輩もっ!!」
幸せだな。と思った。私のために涙を流してくれる人がいるなんて。
昇降口を出る。
「冬花ちゃーん!ゆうせーい!」
校門前にいるふたりの元へ走る。
「咲葉ちゃん....!」
駆け寄ったとたんに抱きつかれる。
「私と、友達になってくれてありがとう...!私...学校来てよかった.....!!!」
嬉しかった。冬花ちゃんが、学校に来て良かったと言ってくれたのが。
「私だって...ありがとう。冬花ちゃんにたくさん助けられたよ。」