「やっぱり冬はさみしいね。」

木を見て思う。

なにもついていなくて、さみしい。

「そりゃ...冬だもんよ。」

蒼井.....遊星が返す。

そうなんだけどさ。

「もし.....私たちが桜花を忘れてしまったら....桜花の存在はなかったことになるのかな....」

そう思ったら、怖くなった。

「じゃあ....万が一忘れても、思い出せるように彫っとく?」

遊星はガリガリと木を削っていく。

「ほらよ。」