「流々南。」

次の日。教室に入り、話しかける。

「....なに。」

「.........桜花.....」

確かめたかった。忘れていないか。

「.....?なに?名前...?」

流々南もか。忘れてしまったのか。

「なんでもない。ごめん。」


『大丈夫だよ。』

いつかの彼の言葉を思い出す。

大丈夫。大丈夫。
呪文のように心で言いながら、私は席に戻っていったーーーーーーーー。