好きという恋愛感情はよく分からない。
中三にもなってこんなこと言ってる俺はおかしいのだろうか。
だけど.....
「蒼井ー!」
笑うあいつを見ると、少しドキッとする。
あいつの笑顔が好きだ。
だから、涙を流すあいつを見るのが辛かった。
笑って、ほしい。
気付いたら手は動いていて、あいつの手を握っていた。
その手は、思ったよりずっと小さくて、細かった。
天城のことを忘れてはいけない。
なぜか人々の記憶から消えていく天城はあいつの親友だ。
あいつの側にいるやつはみんな笑っている。
野沢も、美術部の後輩も、担任も。そして、俺も。
だけどあいつはひとりで泣くんだ。
人のことは誰よりも心配するくせに。
だから俺が。お前みたいに笑わせるから。
ーーーー俺が、春川を..........