「おともだちになろう!」
そう言ってきたのは流々南だった。
小一のとき、友達ができなかった私。
桜花は別のクラスで、私はひとりぼっちだった。
そんなときに、美人で元気な、流々南が私に声をかけた。
あの頃は素直に嬉しくて。
「.....うんっ!」
毎日一緒に過ごした。
私たちは偶然にも六年間同じクラスで、五、六年で同じクラスになった桜花と三人で行動することも多かった。
そんな穏やかな日常が崩れたのは、小五の春。
今思えばあれも春だった。
もしかしたら私は、桜花がいなくなる前から春が嫌いだったのかもしれない。