「おはよ。冬花ちゃん。」
昨日、あんなことがあったせいで少し恥ずかしい。
でも嬉しい。冬花ちゃんと『友達』になれた。
「野沢さん、おはよう。」
冬花ちゃんの後ろから声がした。
私はこの声をよく知っている。
「お、おはよう。花宮さん。」
私にはあいさつもせずにスタスタと歩いていく彼女は実に美しい。
まるで女王様だ。
花宮 流々南(ハナミヤ ルルナ)
私は彼女から嫌われており、私も彼女を好いてはいない。
流々南が私を嫌う理由は明確ではないけど、私が流々南を嫌うのは小学生の頃、いじめられていたからだ。
私には桜花がいたから別にすごく辛いわけではなかったし、やり返すのも幼稚な考えだと思ってなにもしなかった。だけどやっぱりいい思い出ではない。
「咲葉ちゃん?」
「あ、ごめんね。行こ。」
教室へ歩きながら思う。
私たちふたりは平行線なのだと。
永遠に交わらないし、交じりたいとも思わないんだ。きっと。
ーーーーーーーだけど。
この考えは、彼女とおなじなのだろう.......