私は、冷静になんかなれなくて。

どうして。どうして。どうして。どうして。
どうして。どうして。どうして。どうして。

そればっかりが頭中をグルグルしていた。

桜花はいる。いる。いる.....!
なのに....たった2年。
たった2年で人は友達を忘れてしまうのか。
なんて、冷酷な生き物なんだろう。

「春川しっかりしろ。」
「咲葉ちゃん、大丈夫....?」

ふたりが慌てていても、声をかけられても耳に入ってこない。

「あ.....あお...い.....とう...か..ちゃ....なんで...なんで」

言葉が出なかった。辛くて、悲しくて。

どうして。と、なんで。が頭の中を駆け巡る。

「う....ぁ.....うわぁぁぁぁ....!」

そのとき思ったことは、桜花は本当はいなかったのかもしれないということと、朝からこんなで最悪だということ。

そんなことを思ったのも一瞬。

軽く過呼吸気味になり、なにも考えられなくなった。

だけど、それは少し、私にとって都合が良かった。
無駄なことを考えずにすむから。

クラスメイトの注目を浴びながら。
しかしそれを気に止めることもなく、私はただ泣き続けた。