「え......?」
「は......?」

私と蒼井の声が重なった。

静かに本を読んでいた冬花ちゃんもこっちをみて驚いている。

「え?なに?桜花って有名人?そんな人いたっ......」

「なに言ってるの!?冗談やめてよ!桜花は桜花だよ!忘れたの!?」

小春が言い終わる前に、ダンッと机を叩き立ち上がって強く言ってしまう。

「ちょ、落ち着け。春川。.....刈那なんでもねーから。てか今日日直だろ?」

蒼井がうまく流してくれる。

「あ、、う....うん。」

驚いた様子で去っていく小春。

「どういうことなの....?」

頭が回らない。

「忘れたっつーより、元から知らないって感じだったよな.....」

蒼井が冷静に言う。