「約束だよ!あたしたち、ふたりの!」

大きな、山桜の下はふたりだけの秘密基地。

人だって通るし、隠れた場所にあるわけでもない。街灯もあって、みんな知ってる場所だけど、わたしたちのお気に入りの場所。
秘密のことを話すときはいつもそこにいた。
だから『秘密基地』

小さな山にある、美しい桜。

その下で約束したのは小学生の頃。

まだ散りそうもない、桜色の木の下でわたしたちは誓いあった。

心地よい春風と山桜だけが、その誓いを聞いていたーーーー。