天城 桜花(アマギ オウカ)は私の親友だった。
『咲葉と桜花、ずーっと一緒にいようねっ!』
それが彼女の口癖。
綺麗だった。桜花は、桜みたいに綺麗だった。
「桜花ちゃんは本当にいい子ねぇ...」
愛想の良さ、裏表のない性格。故に友達も多かった。
私とは正反対で。桜花はよく、そう言われていた。
「なんで咲葉はあんなに暗いのかしら。」
親も、近所のおばさんも、みんな私と桜花を比べた。
私だって、なりたかった。桜花みたいに。なりたかった。
愛想もよくない、性格も明るくはない。友達も少ない。
嫌だった。そう言われることも、こんな自分も。ずっとずっと嫌だった。
だけど、本当のことだったから。
言い返すことも出来なかった。
「咲葉だっていいとこいっぱいあるじゃん!私にはないものたくさん持ってる!咲葉は咲葉。私は私。どうして私と比べるの?」
桜花が私を助けてくれたんだ。
大人に、そう言ってくれた。
私は、私のままでいいのか。そう思えた。
嬉しかった。嬉しかった。
涙が出るほどに。
ーーーーーー嬉しかった。