だけど。

一年の、ある日から。学校に来なくなった。

二年も。ずっと、来なかった。

私は、よく分からないけど寂しかった。
彼女がいないことが、寂しくて。
担任に冬花ちゃんの家の場所を聞き、プリント類をよく届けに行っていた。

だから、今はそこそこ仲は良い...と思う。


その冬花ちゃんが今日、学校に来たのだ。
それは彼女にとってどれだけ勇気のいることだっただろう。


「おはよう。春川さん。」

あぁ。好きだ。きれいな声と笑顔。

私は、冬花ちゃんが好き。


「あの...私....席..とか分からなくて....」

そうだよね。不安に決まってる。

「ここ。私の前だよ。」

前の席を指差して言う。

「ほんと...?良かった....」

うん、私も。良かった。
嬉しそうにはにかむ冬花ちゃんを見て私も嬉しくなった。

「冬花ちゃん、大丈夫だった?言ってくれれば私、一緒に来たのに。」

言ってくれたら事前になんでも教えられたのに。

「平気だよ。今日はひとりで来てみたかったの。それに春川さんは.....」

そこまで言ったときに私は彼女を遮った。

「いないよ。まだ、いない。私もひとり。」

冬花ちゃんは少し悲しそうな顔をして、そっか。と言った。