久しぶりに彼は深い眠りについていた。うっすらと乾いた涙の後が頬に残っている。彼は目が覚めるなり乾いた涙の跡を触った。


「うわ、ダサ俺。」

彼は深いため息をついた。自分ではなんともないふりしてるけどやっぱり辛い。毎朝のようにこの状態が続いている。

そして彼は、早くそのことがなかったかのように顔をシャワーで洗い流す。彼がシャワーを浴びている間に彼のスマホが震えた。


—んっ?

彼は髪をタオルで乾かしながら光っているスマホを手に取った。


-こんな朝早くから着信?仕事の呼び出しか。...!!!




【麗子さん】




彼は着信先の名前に驚いた。彼女への連絡はいつも彼からで彼女からの連絡は今までなかった。

—どうして。

そう思いながら彼女に電話をかけた。