数分間泣きまくった彼女の目は逆に乾き始めていた。

—放っておかれるのも優しさなんだと気づいた。


彼女は窓の外を眺めながらお茶を飲んでいる彼のそばに寄った。

「いきなりやってきて、愚痴をぶちまけたあげく泣き出しちゃうしごめんなさい。ありがとうございました。だいぶすっきりしました。」

彼女は少しぎこちない笑みを浮かべた。窓に映っている彼女を見ていた彼が彼女のほうに振り向いた。


「みないで!メイクくずれてるから恥ずかしい。」

彼女が下を向き、恥ずかしがった。


「大泣きしてたのは恥ずかしくねーのかよ。」

彼は苦笑いをしながら彼女の顔を覗き込んだ。


—顔近いよ。

彼女は頬を赤らめた。


「無理して笑わなくていいから。恋愛のアドバイスとかできねーけど聞くことならできっから、また辛くなったらぶちまけにこいよ。」

彼は彼女の頭をポンポンと手を置いて伝えた。彼女にはすごく優しい彼の笑顔が瞳に映った。


—こうやって、弱ってる女子は恋に落ちちゃうのかな。


「メイク落ちてる割には、チークは残ってんのか?メイク道具そこにあっから使って帰ればいいよ。」

彼は少し意地悪そうな顔をして指をさした。


「もうっ」と言いながら恥ずかしそうにメイクをなおす彼女を見ながら彼は少し暖かい気持ちになった。

—なんか変わったやつ。