—会社内でのもめ事だし、友達にも話せないから第三者の知らない人に話してすっきりしようと思って紹介に乗ったけど、変な人。てか、この人を見ていると無性に腹が立つ。何が麗子さん麗子さんよ。


「で、話って最近ふられた彼氏の話?俺に聞いてほしいってことは何か訳ありで身近なやつには話せないないようなわけ?」

彼は、紅茶を二人分用意し、ひとつを彼女の前においた。


—初対面で図々しいやつだけど、意外といいやつなんかな。
ルックスも普通にイケメンだし、自分に自信があってかっこいいのかもなー。

彼女はティーカップに口をつけながら思った。


「彼氏じゃないです。付き合ってはいましたけど。」

彼女は小さい声でしゃべりだした。


「付き合ってたのに彼氏じゃないの。なにそれ」

彼は呆れたようにフっと笑った。


彼女はその態度にいらだつどころか、早く気持ちを整理させたいかのように話し始めた。

同僚の子と付き合っていたが、自分は浮気相手で、本命の彼女も同じ部署内の女性だったとか。本命の彼女とは来年には結婚する話まで進んでいて、そろそろけじめをつけると別れを告げられた話をした。出会ってから付き合うまで、そして別れに至った経緯を話し終えたころ彼女は泣きつかれていた。彼は何も言わず、眉間にしわを寄せた悲しそうな顔をしながら真剣にうなずきながら聞いてくれていた。


大泣きをしている彼女のところに彼はハンカチとティッシュを何も言わずに差し出した。

「ありがとう。」




—三浦さんも泣いていたそんな気がした。