ピンポーン

部屋の中に響き渡るベル。



—麗子さんを無理やり忘れる時間…

そう思いながら彼はドアを開けに向かった。



「あんた?最近彼氏にふられたとかいう奴。」

彼は冷たいとげのある言葉で女性を向かい入れた。


「私、赤羽…」

と名を名乗ろうとしたところ彼が言葉をふさいだ。


「俺、プライベートでは麗子さん以外の名前覚える気ないから、名乗んなくていいよ。それより、」

彼は赤羽の手を引いて、ベッドに押し倒し彼女の唇に自分の唇を重ねようとした。


「三浦さん、私はただ愚痴を聞いてほしくて橘さんから紹介を受けたの。」

—いきなりなんで襲われそうにならなきゃいけないのよ。先輩にはかわいがられてたと思ってたのに。先輩が何を考えているのかしらないけど、なんなのこの人ーっ!!!『プライベートでは麗子さんの名前しか覚える気ない』とか頭おかしいっしょ。


「話聞くだけでいいのかよ。」

彼は立ち上がりきょとんとした表情をした。

—麗子さん何考えてるんだよ。こんなん初めてだわ。