思わず見とれて立つタイミングがワンテンポ遅れた。


拍手に包まれて私達は体育館を後にする。


教室に戻れば、皆別れを惜しんで抱き合って泣いている。


「葵っ~!」


あ、葵っていうのは私の名前。


「ちょ、重いっ…」


教室に一歩踏み出したとたんに自分にかかる体重をヨロヨロと受け止める。


「だってぇー!もう、会えなく、なるんだよっ!?」


涙で顔はくしゃくしゃの友人の愛生。


三年間での唯一の親友。


「大丈夫だよ。会おうと思えば案外会えるもんだよ」


よしよしと彼女の背中をさする。