僕は何で此処にいるのだろう。
遡ること30分前、
カツン、カツン。
僕はいつも通り購買でイチゴ・オレを買って理事長室に向かっていた。
なのに、大好きなイチゴ・オレを飲まずに捕まった。
―ガシッ。
「・・・・。」
「やっと見つけたよ~、憐ちゃん‼」
「椎名千夏。何か?」
「ん?何で泣きそうな顔しているの~?」
何でかって?
イチゴ・オレがどっか行ったからよ‼
あんたのせいで‼
「泣きそうな顔なんてしてないよ」
「まぁ、いいけどねぇ?じゃあ、いこうか?」
そして、今に至るのです。
「やっと、来たな」
「・・・・。」
「何で泣きそうな顔してんだよ‼そんなにオレらに呼ばれたのが嫌か‼全国一の翆燿だぞ‼そんなに嫌か‼」
望月さん、うるさいです。
「颯斗黙れ」
「はい」
「で?何で泣きそうな顔してんだ?」
別に泣きそうな顔なんてしてない・・・。
「あなた方のせいで、イチゴ・オレが無くなったんですけど」
すると、全員が固まった。
「ちょっ待て、女‼」
「君、まさかだけど、」
「お前、そんなくだらない理由で泣きそうな顔してんのか?」
「イチゴ・オレ、ボクも好き~」
コイツら好きかって言いやがって
「用がないようでしたら帰ります」
そう言って戸に手をかけると・・・
「待て、お前に聴きたいことがあるんだ」
「聴きたいことですか?」
「うん、君のね・・・」
「情報が何一つ出てこない」
僕はそう言って三浦さんを見つめた。
なんて、悲しみに満ちた瞳
「そうだ、出てこないいんだ。」
「君は、何者なんだい?」
「僕は、ここ鬼灯高校を経営してる会社の次期社長だからね?」
すると、みんなが納得した。
そして、楠さんが言った。
「憐華ちゃん‼私、友達いないの、だから・・・・」
「友達になりましょうか。」
そう言ってニッコリ笑うと楠さんは嬉しそうに微笑んだ。
こうして、僕は皆を騙して翆燿の仲間入りした。