―タッタッタッ。
―ドサッ。
痛い。
珍しく今日は運の悪い日だね。
「三浦・・・智春か・・・」
彼は5年前に亡くなった。
探しても何処にもいない。
見つかるわけない。
だって、彼は僕が殺したのだから・・・。
「智くん。ごめんね?」
今、彼はこの桜の木の下で眠っている。
5年前、この手で彼を殺めこの木の下に埋めた。
好きだった。
付き合って1年目だった。
幸せだったのに、なのに・・・。
榊原悠真(さかきばら はるま)
アイツが、私に言ったんだ。
三浦智春。
智くんを殺してほしいと。
理由なんてしょうもなかった。
ただ、彼女が智くんを好きになっただけの逆恨み。
正直、断ろうとした。
でも、断れなかった。
榊原は僕の耳元で言ったんだ。
もし、出来ないのなら、君の両親を殺すってね。
両親なんて、必要無かった。
自分達は手を汚さずに僕や弟に幼稚園の頃から人を殺さした、あの薄汚い両親にお金の為に僕らを殺人鬼として扱ったアイツらより智くんを取ろうとした。
あんな奴らがいなかったら、智くんは死なずにすんだのに。
両親は僕に条件をつけたんだ。
榊原みたいな条件を・・・。
イヤ、条件じゃなくて脅しだね。
僕は両親のところに行った時、納屋に閉じ込められた。
その中にはざっと10人の男の人がいた。
そして、僕は犯された。
汚い手で男たちは、僕の体を触ってくる。
叫んでも、泣いても、抵抗しても、意味無かった。
納屋には、約2週間閉じ込められた。
殴られて、抱かれて。
何も言えなくなり。
ただ黙って男たちの相手をした。
そして、やっと出たときにはボロボロだった。
そして、またこのようになりたくなかったなら殺しなさいといわれた。
そして、僕が殺しにいこうとしたときには広い工場の中心で死んでいた。
弟に聞くと、僕が何日たっても殺さないから、両親が僕のふりをしてくれる人に頼み僕が殺したようにしたてあげた。
ある意味、僕が殺したようなものだ。
そして、その演技をしたのが僕と同業の櫻井エレカだった。
そいつは、何度か一緒に組んだことがあった。
だからと言って、許したりしない。
近々、両親を殺すからエレカも殺す。
残酷な殺しかたでね。