―屋上。
―ガチャ。
「誰もいない、はずれか・・・。」
まぁ、いいけど。
そして、パソコンを開いた。
―カタカタ。
―カチカチ。
おっ、出た‼
ハッキングは得意なんだよねぇ~
えっと・・・

『榎木ロウワ 17歳・・・。
フランス人とのハーフで榎木グループの副社長の愛人との子ども。
現在、鬼灯高校に通い、翆燿(すいよう)に入っている。』

『楠琴子 17歳。
楠ホールディンクスの隠し事で両親に虐待されている。
現在、鬼灯高校に通い、翆燿の幹部の1人の彼女。』
今のところ、この二人ね。
まずは、榎木ロウワだね?
「フフフ・・・。」
・・・おっと、誰か来たよ。
―ガチャ。
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
あらら、黙り込んじゃた。
「フフフ・・・。初めまして、翆燿さん?僕は鬼灯憐華です。」
「ここは、俺らのだ・・・。」
「三浦智雪さん、別にいいじゃないですか。あっ、もしかしてお兄様の彼女さんと同姓同名で驚いてます?」
「君に智ちゃんの何が分かるの‼」
「何も分かりませをんよ?椎名千夏さんが両親に愛されようと猫被ってる以外はね?」
「あなたは誰ですか?」
「平気そうに振る舞っても駄目ですよ?暁光陽さん、昔、父親の愛人に犯されたんですってね?」
「てめぇ、殺す。」
「キャーコワイなんて言うと思いましたか?望月颯人さん。両親に捨てられたんですよね?」
そういって、ニッコリ微笑む。
すると、女の子が言った。
「鬼灯って、あの・・・」
「はーい、ご名答、本日、楠琴子様に依頼を受けました。なんでも屋の鬼灯です。」
「依頼ってなんだ‼」
三浦さん?怖いですよ?
「人探しです。」
「誰をです?」
暁さん、避けすぎです。
―ビクッ。
僕はそれを聞かれて、また体が震えた。
ここでバレてはいけない。
「・・・三浦・・智春、22歳よ?」
「なっ兄貴を‼」
「そうです。貴方の兄であり、5年前に消息不明になった三浦・・智春です。」
ヤバい。
震えが止まらない‼
「・・・でっでは、僕は・・・ここで失礼します‼」
そして、フェンスを乗り越えて飛び降りた。