永徳さんは、実力主義者だ。
‘しゃべる暇があるなら練習しろ’
彼女のモットーだ。

普通の人には普通に。
出来る人にはいい人として接し、
出来ない人には作り物の笑顔で対応する。

今年の後輩は恵まれている。
偶然いい線の入っている後輩がパートにはいってきたからだ。
彼女は後輩に好かれやすく、親しみやすい先輩として慕われている。

できないところがあっても、コツとやる気の出る言葉を使い、モチベーションを上げるという一見模範的ないい先輩である。

だが、凪紗はそんな永徳が嫌いだった。