部活の顧問が代わる。というのはどの部にとても悲しいことである。

私達の学校は、今までにないくらい栄華を極めた。
大会での優勝の数、最優秀選手賞などから、この市で最も強い学校ではないかと言われた程だ。

それは吹奏楽部も同じである。今の三年生が入学したときに、今の顧問の先生が転任してきた。
先生は凄腕で、廃れた音楽部をおおきく育ててくれた。

あと1時間後くらいにHRが始まる。
その間、私達吹奏楽部は音出し、チューニング等、離任式の入場の演奏の確認をしていた。

私達の学校では式典の演奏は全て吹奏楽部が担当している。もはや伝統になりつつある。

だが、卒業式、離任式の演奏は泣きながら吹く者が続出し、演奏という演奏はうまくできていない気がする。

とくに、離任式に至っては退場の演奏はせず、皆手紙や花束を渡したりして別れを惜しむものだ。

今年は、沢山の先生が移動する。

今までにないくらいの涙にあふれる離任式になりそうだ。