"俺以外のこと考えてんじゃねーよ"


思い出すと顔が熱くなる


私、バカだから自惚れちゃうよ


君がもしかしたら私のことを…



その時手をぎゅっと握られぐっと引っ張られる。

いつの間に食べ終わったのか、持っていたクレープはもうなくてその空いた手で陸玖が私の手を握って私を引っ張りながら少し早歩きし始める。



「どうしたの、陸玖」


「美海あれ!射的やりにいこうぜ」



陸玖が向かう先に射的をやっているクラスがあった。



「祭り行くといつもやってるだろ。せっかくだから文化祭でもやってこうぜ」


目を細めてにっと笑う。


この笑顔が好き。


ずっと隣で見ていたい。


そんなことを願いながら陸玖に引っ張られるがままに射的のところに行く。