足が思うように動かなかったけどやっとのことで保健室に着いた。
消毒液の匂いが鼻を少し霞める。



「一ノ瀬さん、ここに座ってね。すぐに手当てするから」



消毒液が傷口にしみる。
私あの時よく走れたなって我ながら思う。



「はい、手当て終わったよ。これだと決勝は走れないわ、残念ね。」



「いいんです、走りきりましたから。それにまだ頼れるランナーがいますから」



「そう。午後は安静にしているように分かった?」



「はい、ありがとうございました」