表向きの藩主を先頭にした行列を作り、御所に着く。那津は一見藩主の護衛にしか見えないが、実態は長州の真の主と言う…。
教科書に載ってない凄い事を知ってしまった。
御所に着くと那津は皆の見えない所で
那「私は術で透明になって探索するから代わりに僕のふりをしていてください。」
と言い残し僕を一瞬で影から出して置いていった。
まさかの替え玉?!?!
御所で妙齢の女官に天皇への取次を表向きの藩主が頼むとしばらくして、護衛一人と藩主だけ入るように言われた。
あ、僕もですよね。やっぱりね!
中に入るとピンと張り詰めた空気を感じた。大きな御簾がかかっておりよく見えないがそこにこの国の天皇がいるのだろう。
前にいる藩主にならって吹悠も頭を下げるとまだ少し子供を感じさせる声が聞こえた。
「よく来たな。」
「主上!直接言葉をかけるなど…」
「よい!」
「ですが…。」
「よいのだ。朕にこれ以上言わせるな。皆下がれ。」
すると妙齢の女官も押し黙り近くの他の女官に目配せをして下がらせた。
「お主もだ。」
言いたい事がありそうだが最後の女官も下がり、部屋にいる人は表向きの藩主と僕と天皇の三人になる。