一人で二人の攻撃を見事に捌ききっていた。それは最早達人の域に達している。遅かれ早かれその域すら越すだろう。


那「よっと!」


と、いきなりしゃがみ左脚を軸に長い右脚を伸ばして回り、沖田と土方に足払いを入れた。

沖「くっ」

土「チッ」

それは綺麗に入り、二人は転がった。二人はとっさに受身を取ったがすかさず喉元にひゅっと那津に刀を突きつけられた。


『那津!殺すな!』

那「吹悠…?」


慌ててもがくと那津が冷たい目を沖田と土方から吹悠に移した。

那「そっち側に付くんですか?……裏切るんですか…?」


"吹悠の大切な友人を消したあと、吹悠を未来に返そうと思ってましたから"


ここで那津に裏切りととられると、此奴らが逆に危ない!此奴らの味方じゃない事をアピールしないと…‼︎


『う、裏切った訳じゃない!ほ、ほら、いつか此奴らが何処かで使い所があるかもしれないだろ?こんな所でお前が手を汚す必要ないって…。』


那津はキョトンとするとニコッと笑って刀を二本とも腰に収めた。

那「そこまで吹悠が言うなら仕方ないね。」

ふふふっとにこやかに微笑みながら頭を撫でられた。