「きっ貴様は、狐面鷹!」

『あっ僕らちょっと有名人?ははっ』

浪士二人は舌打ちすると刀の柄を握り、じりじりと接近してきた。このままじゃ、戦闘になる。


『ねえ、そこの女の子。早く巻き込まれたくないなら逃げな。』

「へっ?」


一瞬戸惑った後女の子は頭をペコッと下げ、走って逃げていった。

これでよし。暴れても問題なし。


「狐面鷹、我ら尊王攘夷浪士と知っての狼藉か!覚悟しろ!」


誰がって?


主に僕とか那津とかね。


刀を抜く瞬間に僕は走り出し思いっきり男に回し蹴りを決めた。蹴った後はその勢いのまま一瞬逆立ちし、もう一人の鳩尾に足を沈みこめるように入れた。


『よっと。』

倒れこむ男たちの頭に手刀をいれ昏倒させるとパチパチと拍手が頭上から聞こえた。