布団から体を起こし立とうとすると、鋭い声が飛んできた。
那「帰るってどこにですか?一緒に邪神倒すんでしょう?」
『いや、邪神を倒す気はない。それに今僕が帰りたいのは、壬生浪士組屯所だ。』
那「親の仇とりたくないんですか?」
『そんな事お父さんがそんなこと望むとでも?』
那「正直望んでないでしょうね。でも、私はあれから1人でどんな風に生きてきたか吹悠は知らないからわからないんです。」
辛そうにその顔を歪めると那津は言葉を紡いだ。
那「ある日突然理不尽に幸せを壊され、どん底の中1人で生きてきました。汚いやり方も沢山しました。罪のない人だって利用して殺した事もありました。」
そう言うと那津は自分の掌をじっと見つめた。
まるで血に染まった手を睨みつけている様だと思った。
那「でも生きるってそう言う事でしょう?何かを犠牲にしてでも目標へ進む事でしょう?
私の場合ここまで生きてこれたのは邪神を倒す、この一つの目標があったからです。」
そう言うと那津は僕の目を真っ直ぐ見つめた。
瞳に迷いはなかったがやはりどこか悲しげだった。
那「私は、あなたが必要です。あなたの力が必要です。手を貸してください。」
ー僕はーーーーーーーーーーーーーーーー
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