庭は思わずたじろぐほどの妖気と倒れた二つの人影の傍に佇む、長身の人間。
そいつが妖気を出しているようだが、果たしてこれほどの妖気は最早人間なのかどうなのか。
?「あぁ一足遅かったね、君ら。」
シャンシャンと大きな鈴のついた杖を持ってこちらに歩み寄ってきた茶髪の男は
『お前…。さっき土方の刀盗った奴!』
斎「何?それは本当か?」
土「探す手間が省けたぜ…。それにもう刀は一本も渡さねぇよ茶髪野郎!返せ!俺の刀‼︎」
土方はギロリと相手を睨む。
ヒイイッ味方でよかった!
今なら土方は視線で人が殺せる!
そんな土方をキョトンと見るとあはは、と笑い始めた。
?「何か誤解されているようだけど、僕がまたここにお邪魔した理由は刀じゃないんだけどね!
まあその目的も達成したし帰るよ。」
シャン
と音を立てその身を翻すと夜の帳の中に消えて行こうとした。