……静寂な、この部屋は、彼がいるといないとでは、大いに違って見えた。


わたしは、束縛なんて嫌いだし、嫉妬なんていうみっともない感情もいらないと思ってきたし、何よりも自由でいたかった。


ひとりという空間が決して嫌いではなくて、むしろその空間がないと息がつまるし、必要としていたはずだった。



ーーだけど、だけどね、春人。



『多分、俺たちはすごく合うと思うんだ』


わたしたちの関係の始まりが、たったこれだけだったとしても、わたしにとってあなたの存在は、果てしなく大きかった。


「好き」なんて、確かな言葉、わたしたちの間にはなかったけど、それでも、背中から感じるぬくもりにドキドキしたし


まるで少年のように純粋な顔をして眠る、春人を見ると、ストレスも、不安も全部全部吹き飛んだ。