「普段怖いけど、ふとした瞬間優しいなんて、ギャップがあって素敵〜」


友人は、前回とは真逆のことを言ってやがるし、塚原さんの周りには人だかりが出来てるし、本当ありえない。




何を隠そう、あの日。

私が、告白まがいなことをし、塚原さんの車の鍵をGETしたあの日。


緊張と混乱で、何が何だかわかっていなかったけど、あの場にはたくさんの生徒がいた。

うようよ沸いていた。


つ ま り !!!

塚原さんの悩殺的な笑顔は、みんなに知られてしまったのだ。


奴らは、つい最近まで出していたNGのことなんかお構いなしに、塚原さんに猛烈なアピールをし始める始末。




……本当、面白くない。


今の私の気持ちは、お気に入りのおもちゃを取られてしまって拗ねる子供のような気分だった。