「ねぇ、琉偉」
「……ん?」
────不意に、キミは、わたしに抱きついてギュッと柔らかく、包み込んだ。
「自由が好きで好きで仕方のないキミを、困らせてもいい?」
あまりにも、不安そうな声をあげるから。
わたしは驚きながらも頷いた。
「束縛なんて、あり得ないって言うキミを、困らせてもいい?」
────それは、あまりにも突然だった。
「ねぇ、琉偉」
「────結婚してよ」
・・・
その場から、動けない。足がいうことをきかない。一斉に体の力が抜けて、その場に崩れ落ちそうになる。
ーーだけど、春人がわたしの体を受け止めてくれた。
「これから先、窮屈なことも多いし、肩苦しいことだらけになると思うけど」
「俺の、琉偉に。なってくれる?」