「おいおい、嘘だろ……俺には聞こえねぇよ。それも、暁の姫の力なのか…?」


ルークは驚いたように私を見つめる。


「なんか、助けてって言ってる……みたい?」


何を、かは分からないけど。
というか、もっと具体的に言ってほしいというか…


「みたい、かよ!!」

「だって、途切れててうまく、聞こえな………」


ーボコボコボコ……


げっ!近づいて来てるし!!


っていうか、何でだろう、目なんかないはずなのに、見つめられてるような……


『私ガ…弱イカラ………』

「弱い………?」

『死ニタイ……モウ、アノ場所ニハ居タクナイ…』


なんだろ、よく分からないけど………


弱いから、誰にも助けてもらえなくて、死にたいほど辛いことがあって、今の場所にはいたくないってこと??


「おい、また何か聞こえるのかよ?」

「うん………でも、やっぱり聞こえずらい……」


途切れ途切れで、詳しい事なんて、何一つ分からないけど…


「その……私、あなたは強いと思うんだけどっ!」

『……………………』



私の言葉に、幻魔は動きを止めた。
その場に佇み、私の言葉を待っているかのように思えた。



「幻魔が、止まった………?本当に、言葉が分かんのか??」


ルークも驚いたように私と幻魔を交互に見つめる。